2025.03.25
知識・雑学
「PFOS」「PFOA」について
PFOS(ピーフォス):ペルフルオロオクタンスルホン酸
PFOA(ピーフォア):ペルフルオロオクタン酸
PFOSとPFOAは、私たちの生活の中で長年使用されてきた化学物質ですが、その有害性が明らかになり、世界中で規制が進んでいます。
■PFOSとPFOAとは?
PFOSとPFOAは、PFAS(ピーファス:ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)と呼ばれる有機フッ素化合物の一種です。
撥水性、撥油性、耐熱性、化学的安定性に優れています。
自然環境中で分解されにくい性質があるため、今も環境中に残っています。
■主な用途
これらの特性から、PFOSとPFOAは、以下のような幅広い製品に使用されてきました。
・撥水剤、界面活性剤 : 衣類、カーペット、食品包装紙など
・泡消火剤 : 空港や消防署などで使用される泡消火剤
・表面処理剤 : 金属メッキ、半導体製造など
・その他 : テフロン加工のフライパンなど
■人体や環境への影響
PFOSとPFOAは、環境中に排出されると、水や土壌を汚染し、食物連鎖を通じて生物の体内に蓄積されます。
人体への影響としては、以下のようなものが懸念されています。
・発がん性 : 腎臓がん、精巣がんなど
・生殖毒性 : 出生時の体重低下、発達遅延など
・内分泌かく乱作用: ホルモンバランスの乱れ
・免疫毒性 : 免疫機能の低下
■規制の状況
これらの有害性を受け、国際的にも国内的にも、PFOSとPFOAの製造、使用、排出を規制する動きが広がっています。
・国際的な規制
残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約において、PFOSは2009年に、PFOAは2019年に廃絶対象物質として追加されました。
・国内の規制
日本では、化学物質審査規制法に基づき、PFOSとPFOAは第一種特定化学物質に指定され、製造、輸入、使用が原則禁止されています。
■私たちの生活との関わり
PFOSとPFOAは、過去に幅広い製品に使用されていたため、私たちの生活環境中にも存在している可能性があります。
そのため、以下のような点に注意することが大切です。
・古い製品の使用 : 古い撥水加工製品やテフロン加工製品の使用は控えましょう。
・食品からの摂取 : PFASが蓄積しやすい食品の摂取には注意しましょう。
・浄水器の使用 : PFASを除去できる浄水器の使用を検討しましょう。
PFOSとPFOAは、私たちの健康や環境に深刻な影響を与える可能性のある化学物質です。
これらの物質について正しい知識を持ち、適切な対策を行うことが重要と考えます。



